業界情報 シリーズ① インバウンド(10回目)

最新トレンド業界情報、シリーズ①最終回、今日は、インバウンドです。

昨年まで関西国際空港(写真)にあるクライアントの監査をしました。「新型コロナの影響を最も受けた」といって過言ではありませんでした。

また、わたしが住む京都もこの3年間は外国人観光客は本当にいなくなりました。しかし、長い目でみれば4~5年前の状況はまた戻るのではないでしょうか。


インバウンドとは、訪日外国人客の消費のことを指している。


新型コロナウイルスの世界的な感染拡大により、日本及び各国は入国制限措置が発動し、世界中で海外旅行にストップがかかった。

2021年には感染者数の減少により入国制限緩和などの動きもみられたが、12月頃から変異株が急速に拡大し、再び多くの国が入国制限を行った。


2022年6月以降、多くの国で入国制限が緩和されており、日本でも国は限定されているものの約2年ぶりに外国人観光客の受け入れが再開された。


訪日外国人客数については2020年2月に半減(前年同月比-58.3 %)し、4月からはほとんど5万人以下の状況が続いた。



訪日外客数の推移


出所:JNTO「訪日外客統計」、各種資料を基にUzabase作成



直近の2022年4~6月は月あたり推計12~15万人程度と増加しており、入国制限緩和により7月以降はもっと増えると予想される。

なお、このトレンドはコロナ禍前のインバウンド流行時の要因分析を中心に記述している。


訪日外客数の月次推移(2020年3月~2022年6月)




2022年6月以降、日本を含む多くの国で入国制限が緩和


往来再開に向けての状況は流動的に変化しており、民間人の渡航についてはビジネストラック・レジデンストラックのスキームが2020年6月から開始したが、2021年1月の緊急事態宣言(2回目)で一時停止、2021年3月には東京オリンピックの海外からの観客受け入れを断念した。2022年6月以降、多くの国で入国制限が緩和されており、日本も2022年6月から再開した。

2020年12月には、観光庁がインバウンドの段階的な再開に向けた「感染拡大防止と観光需要回復のための政策プラン」を発表し、感染状況が落ち着いている国・地域を対象とした小規模分散型のパッケージツアーの試行も挙げていた。今回の外国人観光客受け入れ再開は、感染状況が落ち着いている国・地域を対象に、添乗員付きのツアー客限定となっており、この政策プランに則っていると考えられる。

外国人のビジネス目的での入国も全面停止されていたが、2022年6月からはビジネス目的での入国も再開されており、少しずつ日常を取り戻しつつある。



訪日外客数トップ3、中国では再びロックダウン、韓国・台湾は物価上昇などにより経済成長は鈍化


コロナ禍前のインバウンドの構造を見てみよう。インバウンド=訪日客数×単価である。2019年の国別の訪日客数と消費単価をみると、中国からの訪日客が客数でも単価でも最大となっていることがわかる。中国人一人当たりの消費単価は21.3万円と訪日客数平均(15.9万円)の約1.3倍だ。客数は中国人だけで全体の4分の1超を占めており、中国・韓国・台湾からの訪日客が全体の約6割を占める。

2020年のコロナ禍以降の経済・感染の状況をみると、中国経済は早期に急回復し、2020年のGDPはコロナ禍前の2019年を上回るなど好調であった。

また、2021年全体では2020年の新型コロナによる経済活動停止の反動減があったため高い成長率を示したが、2021年後半だけでみると半導体不足や電力の使用制限などにより成長率は鈍化した。

直近の2022年1~3月期はインフラ投資が堅調だったものの、4~6月期はロックダウンなどもあり失速した。感染者数も2020年春の第一波で封じ込めに成功、国内旅行はコロナ禍前の水準にまで戻っており、2022年2月には北京五輪も開催された。

ただし、北京五輪前後から感染者数は増加、3月下旬から2回目のロックダウンが約2か月行われた。5月にはゼロコロナ政策のもと、不要不急の出国を厳しく制限すると発表した。


コロナ禍前の訪日客数と客単価(2019)

出所:JNTO「訪日外客統計」、観光庁「訪日外国人消費動向調査」を基にUzabase作成



インバウンド関連市場の小売、旅館・ホテル、外食業界はコロナ禍でのダメージが大きい業界


単価の内訳をみると、訪日客は買物代に最もお金を使っており、買物・宿泊・飲食費がインバウンドの8割超を占めている。


なお、消費構造はここ7年間不変であるため、小売業界、旅館・ホテル業界、外食業界のインバウンド市場規模は全て4.7倍に成長し、恩恵を受けていた。


これらの業界は、2020年当初は訪日客の影響のみが懸念されていたが、現在は国内客による消費も大きく減少しており、厳しい状況が続いている。


訪日外国人の消費構造

出所:内閣府「GDP統計」、観光庁「訪日外国人消費動向調査」を基にUzabase作成


インバウンド再開で期待が高まるのは消費単価が高い中国のリピーター客


リピーターの割合は6割程度と一定で推移していたが、訪日客数自体が増加していたため、リピーター数は2012年の528万人から2019年には1,849万人へと増加していた。また、リピート回数が増えるにつれて客単価は上昇する傾向がみられる。


日本への入国規制が緩和された際に先陣を切るのは、何度も日本を訪れている訪日リピーターだろう。特に中国のリピーターの旅行消費額は韓国・台湾の2倍以上であり、インバウンド回復の先陣を切ることが期待される。


なお、国内ではコロナ禍にも関わらず、2025年の大阪・関西万博や2020年代後半の大阪でのIR/カジノが開業予定であることも影響し、関西を中心に富裕層向けの宿泊施設が続々と開業している。このターゲットにはコロナ明けの中国人客富裕層も入っていることだろう。


訪問リピート回数と旅行支出は比例する


出所:観光庁「訪日外国人消費動向調査」より訪問回数別1人当たり旅行支出

注:観光・レジャー目的のデータ。パッケージツアー参加費に含まれる日本国内収入を含む


というわけで、中国中心のインバウンド、再開なるでしょうか。では。








閲覧数:6回0件のコメント