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業界情報 シリーズ① インバウンド(2回目)

更新日:3月27日

最新トレンド業界情報、シリーズ①2回、今日は、インバウンドです。なお、昨年のトレンド情報を更新して記載します。

昨年まで関西国際空港(写真)にあるクライアントの監査をしました。当時「新型コロナの影響を最も受けた」といって過言ではありませんでした。

また、わたしが住む京都もこの3年間は外国人観光客は本当にいなくなりました。しかし、徐々ですがに戻ってきている感じです。


インバウンドとは、訪日外国人客の消費のことを指しています。


新型コロナウイルスの世界的な感染拡大により、日本及び各国は入国制限措置が発動し、世界中で海外旅行にストップがかかっっていました。

2021年には感染者数の減少により入国制限緩和などの動きもみられましたが、12月頃から変異株が急速に拡大し、再び多くの国が入国制限を行いました。


2022年6月以降、多くの国で入国制限が緩和されており、日本でも国は限定されているものの約2年ぶりに外国人観光客の受け入れが再開されました。以下、2022年12月では急速に増えてきています。



訪日外客数の推移



コロナ禍前の訪日外国人数トップ3は中・韓・台、だが経済と水際措置で見通し不透明


インバウンド消費額=訪日外国人数×消費単価です。2019年の国別の訪日外国人数と消費単価をみると、中国が人数でも単価でも最大となっていました。中国人1人あたりの消費単価は21.3万円と訪日客数平均(15.9万円)の約1.3倍。



人数は中国人だけで全体の約3割を占めており、中国・韓国・台湾からの訪日客が全体の約6割を占めていました。


なお、2022年は米韓からの訪日外国人数は順調に伸びましたが、中台は全体平均を下回る客足でした。

2023年は世界的な景気後退が懸念されるため、新型コロナウイルス感染者数が落ち着いても、人数と消費単価の双方においてこれらの国によるインバウンド消費が回復するかは不透明のようです。


韓国と台湾は、2022年のGDP成長率は半導体市場が好調だった前年より低いものの、コロナ禍前の2019年以上の水準だったと見られます。

しかし、2023年は半導体需要の減少や物価高により、いずれも前年比マイナスとなると見られています。


中国では、ゼロコロナ政策による経済へのマイナス影響が大きかった2022年より2023年は好転すると予想されます。一方、中長期的に経済成長は失速し、コロナ禍前のようなGDP成長は難しいとされます。


加えて2022年末以降、日本政府は中国に対する水際措置を強化した。Dragon Trail International(CHN)による2022年12月の中国人に対する調査では、他国と比べて日本を「安全な渡航先」と考える人が相対的に多かったようです。


また、行きたい渡航先として日本は香港に次ぐ2位でした。しかし、水際措置の強化で渡航手続きが煩雑化すると、東南アジアなどへ流れてしまう可能性があるようです。



リピーター客は消費単価が高く、特に中国人において顕著


リピーターの割合は6割程度と一定で推移していましたが、訪日外国人数自体が増加していたため、リピーター数は2012年の528万人から2019年には1,849万人へと増加していた。



訪問リピート回数と旅行支出は比例する


出所:観光庁「訪日外国人消費動向調査」より訪問回数別1人当たり旅行支出

注:観光・レジャー目的のデータ。パッケージツアー参加費に含まれる日本国内収入を含む


また、リピート回数が増えるにつれて消費単価は上昇する傾向が見られます。特に中国のリピーターの旅行消費額は韓国・台湾の2倍以上です。


なお、国内ではコロナ禍にも関わらず、2025年の大阪・関西万博や2020年代後半の大阪でのIR/カジノが開業予定であることも影響し、関西を中心に富裕層向けの宿泊施設が続々と開業しています。このターゲットにはコロナ明けの中国人富裕層も入っていることでしょう。


インバウンドの影響範囲は広く、旅行前から帰国後までサービス業全体に広がる


訪日客の時間軸でバリューチェーンを見ると影響範囲が広い。計画・予約など旅行前からインバウンドはスタートしており、滞在中は国内を移動しながら買い物や食事、娯楽を楽しむ。帰国後のお土産やSNS投稿、口コミは他の旅行者の訪日旅行の計画へとつながっています。


インバウンドのバリューチェーン




インバウンド消費はモノ消費からサービス消費へ、コト消費は多様化


インバウンド消費のトレンドは家電などの耐久財からスタートし、衣類(ブランド品)・宝飾を経て直近までは食品やパーソナルケア(化粧品)が人気でした。


いずれも高品質や安全性・正規品といったニーズが強く、消費サイクルの長いものから短いものへと変遷しています。


現在は越境ECの環境が整ったこともあり、モノ消費の割合は緩やかに減少することが見込まれるようです。現地でしか消費のできない外食やレジャーなどのサービス消費へのシフトが進のでしょうか(琵琶湖も奇麗ですし友人を琵琶湖に招きたい気がしています。わたしのお気に入りの仕事場所です!)



琵琶湖 Working Space By K.K.FAS


コト消費を見ると従来の王道パターン一辺倒から多様化しているようです。初回客とリピーターの構造は変わらないものに、客数の増加により王道とニーズ別・個人旅行のどちらも増加しているようです。


「ゴールデンルート」や都市部に限定したパッケージングツアーは、ニーズが分散しているものの健在で、増加傾向にあるようです。


ニーズ別団体旅行や個人旅行では都市部だけでなく地方にも訪日客は足を延ばしているのだそうです。さらに、密を避けた体験型のニーズが高まると予想されており、各地方自治体では着物、刀剣、伝統工芸、そば打ちなど地域の観光・体験スポットで誘客を図るうごきがあります。








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