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執筆者の写真Shuichi Kobayashi

番外 JICPA 品質管理レビュー 後記

わたしは某上場会社の金融証券取引法監査に関与しており、その某社にJICPA(日本公認会計士協会)の品質管理レビュー(、以下「協会レビュー」)がはいりました。


そのため、協会レビューの期間、質疑対応を担当しました。その後記をすこしだけ書きます。なお、守秘義務上、某社、協会レビュー担当者、関与監査法人等については記載しません。


まずすこし、前提をかいておきます。



【前提:上場会社の監査】


上場会社は、一般投資家保護の観点で金融商品取引法に基づく決算監査、四半期レビューおよび内部統制統制書監査が義務付けられています。


監査は昔の「電話帳」のサイズの監査基準書に準拠して実施されます。(2000年のころはいまのざっくり半分くらいでした。)そのため、実施される監査の監査調書はざっと「電話帳」5冊分くらいになります。膨大です。


監査後は監査報告書が発行され、有価証券報告書に添付されます。「お墨付き」というやつですね。



【前提:わたしの監査経歴】


わたしは、2000年に公認会計士試験に合格して以来、上場会社の監査を担当してきました。2006年以降、わたしの専門の職務は、監査以外のアドバイザリー業務へ軸足を移しましたが、ご縁があり、いまでも上場会社監査に関与しています。


さて、協会レビューですが、簡単な概要図がありますので掲載します。



そもそも独立性のある監査法人が、監査をしていますからそれで制度としては十分なのですが、さらに第三者として、協会が、監査法人の監査を監査するわけです。なお第三者には金融庁も含まれます。


年間でおよそ80の監査法人に対して協会レビューが行われているようです。


協会レビューについて、質疑対応したわたしがいえることは、協会レビューでは監査基準に照らして監査ができているかを原理原則で確認されること。とくに、「不正」への監査の確認が厳格です。


そのため、「これだけ頑張ったのだから十分でしょ」というわたし(側)の言い分がきかないケースがあります。正直質疑対応には疲れました。


他方、協会レビューは、制度として監査法人の監査を一定手抜かりないものにしてくれているといえるとおもいます。そのため、一定の制度的役割を果たしているとおもいます。







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