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執筆者の写真Shuichi Kobayashi

Purchase Price Allocation(PPA) ⑤人的資産

今回は「ヒト・モノ・カネ」の「ヒト」、人的資産です。PPA特有の資産です。

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PPAにおける無形資産価値評価は、そもそも特有の論点が多く、また会計基準や適用指針において具体的な算定方法や耐用年数の根拠等の定めもないことから、個々の事案に応じた適切な前提条件や将来予測に基づく、合理的な見積りが必要とされます。


そのため、無形資産評価を行う評価者には、十分な実務経験と財務会計・監査に関する高度な専門性が求められます。K.K.FASは、評価者であると同時に、監査法人の専門家レビューも経験してきており監査法人の監査に耐え得るレベルの専門家性を有しています。


なお、PPA(広義)は無形資産評価のみを意味しませんが、実務的に「PPA」というと無形資産評価を指すことが多いため、解説は無形資産評価についておこないます。


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サマリー(定義と目的)



人的資産はAssembled Workforceの翻訳です。


被取得企業の役員・従業員を評価対象とします。


人的資産は、結論として「のれん」に含まれてBS計上されるのですが、超過収益法により識別無形資産を算定する過程で必要になるため計算されます。


ただし、ソフトウエア、人材派遣では、そもそも人的資産自体が買収目的となり、実務上、また意思決定の議論において興味をもって算定されるケースもあります。



計算手順


人的資産の評価アプローチは「コストアプローチ」です。理論的には、技術・顧客関連のように、インカムアプローチでも出せるはずですが、売上高との明確な結びつきが仮定置きできなっからだとおもいます、「再調達コスト」で集計されます。


つまりは、M&Aで一気に組織的な人材を取得することで、これを獲得するのにかかるコストの節約額として計算されます。


そして、節約されるコストは、「リクルートコスト(採用費)」「教育コスト(教育研修費)」として集計されます。

こちら、とある計算に使用した数字を簡単におきなおしてサンプルとしました。


超過収益法での利用


このサンプルでは人的資産は10,889.23です。この金額が超過収益法のキャピタルチャージの計算で使用され、最終的には、のれんの内数とされます。


所感


超過収益法は、もっとも頻繁に使用される評価アプロ―チなので、必然的に人的資産を計算することになります。個人的には面倒です。他方、人材を取得するM&Aの場合には、人的資産を測定して社内外の説明(おおくは社内、取締役会での説明)に使用されるので、わりかし積極的に結果をみられるとおもいます。

















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