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PPAにおける無形資産価値評価は、そもそも特有の論点が多く、また会計基準や適用指針において具体的な算定方法や耐用年数の根拠等の定めもないことから、個々の事案に応じた適切な前提条件や将来予測に基づく、合理的な見積りが必要とされます。
そのため、無形資産評価を行う評価者には、十分な実務経験と財務会計・監査に関する高度な専門性が求められます。K.K.FASは、評価者であると同時に、監査法人の専門家レビューも経験してきており監査法人の監査に耐え得るレベルの専門家性を有しています。
なお、PPA(広義)は無形資産評価のみを意味しませんが、実務的に「PPA」というと無形資産評価を指すことが多いため、解説は無形資産評価についておこないます。
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TAB (Tax Amortization Benefit)
超過収益法は代表的なPPAの算定方法です。その手順には、顧客の減衰率の推定、人的資産の評価、キャピタルチャージの見積など、特殊な内容がいくつもあります。
これらは、比較的理論的かつ必要性が理解しやすい項目です。
他方、TABはその手順のひとつであり理論的ですが、必要なのか?と感じるものです。
上記は とあるTABの計算サンプル です。計算手順は論理的です。求めた顧客関連資産を特定の償却期間(日本は結論5年ですね)で償却した際の税効果を現在価値計算します。
さて、無形資産はM&Aにより買収された被取得企業の取得価額の配分なのですが、買収は株式取得がおおいです。つまり、無形資産は一般に連結財務諸表に特有の資産であり、その償却費は税務上の損金経理はなされないです。
それなのに、なぜTABが評価されるの? と(一度は担当監査チームの会計士からも)必ず聞かれます。
結論からいうと、PPAをする際、TABは評価するのですが、その根拠はこれも「公正価値」の定義に設定があります。
「買収は株式取得が多い」と書きましたが、無形資産を直接取得する前提もあります(そもそも無形資産の識別要件が分離譲渡可能だからPPAしています)。
また、国によっては無形資産を税務上償却できるケースもありえます。つまり、株式譲渡か事業譲渡かといった買収スキームに依らずに公正価値評価する前提が優先されているのです。
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