財務DDについて個別の調査方法、その意義などポイントは色々なのですが、まず、「M&Aの基礎」的な内容を書こうと思います。
M&Aは、個人的に上場会社が事業拡大のために実施しているというイメージがありますが、必ずしもプレーヤーは上場企業に限りません。やや財務DD(DD)も念頭に、M&Aの意義から書いてみます。
Ⅰ. M&Aの意義
3単元位にわけて、まずM&Aの意義(目的、決定要因、リスク)についてです。
1. M&Aの目的
昨今は新型コロナウイルスやウクライナ問題による景気変動がかつてない環境変化をもたらしています。それを差引いたとしても競争環境の熾烈化、技術革新の変化は凄まじいものがあります。積み上げ努力は成長の基本ですが、一気に売上を増やす手段としては、M&Aは有力な「手段」であることは間違いありません。M&Aのメリットをあげると以下があげられまます。
2. M&Aの決定要素
なにごともそうですが「WHY」は最も大切な要因です。私見ですが、5年先10年先の生き残りを考えて挑戦的な目標を描く場合、その達成に「事業」そのものを取込み達成することが有効かつ効率的であれば、M&Aは「手段」として進め得るとおもいます。「Where」以降は以下に有効なM&Aとするかの考慮点でしょう。財務DDは、「WHY」の正当化にも有効な手続きだと思います。また「株価算定」も同じでしょう。
3. M&Aのリスク
M&Aは「高い買い物」です。実際その「価値」があるかどうかわからない。それが「リスク」ともいえます。
会計では「減損会計」といって、買収後の成果が出無い場合、減損をするケースがあります。これはリスクが発現するケースです。
補足すると、買収額100億円、対象会社時価純資産80億円の場合、20億円は「のれん」として計上されます。減損はこの20億円が一部または全部損失処理されることです。
このような「リスク」を回避するひとつの手段は、DD(デューデリジェンス)になりますね。
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