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財務DD シーズン2 ③財務DDの調査ポイント(前半)

更新日:2023年1月10日

さて、財務DDの調査のポイントになります。


私は「財務DD」は2006年某大手通信会社の案件に始まり、毎年毎年やり続け、気が付けば17年経っています。「どんな調査をしているの?」と聞かれることが、無い!笑


さて、赤枠「前半」の以下資料に沿って展開します。


「財務」といっても、まずは対象会社の 生い立ち から調べを始めます。


帝国データバンクの調査書(以下「帝国データ」)をご覧になった方(実はこれも少ない?)は判ります、最初帝国データの情報くらいからスタートです。(社名は消して、表紙だけ、そうこれです)


(帝国データだけでも、17年やってますと一山話がありますが割愛。)


会社概要つまり、沿革、株主、役員、子会社、組織、主たる商品、製品、サービス、サプライチェーン、また、会社強み弱み、関連当事者取引、などなど調べます。

調べながら、現場で何を聞くかプランニングします。

なお、山ほどの資料依頼をして入手情報を読んでいきます。データは元帳の他、得意先データなど過去3~5年分頂戴します。昔、すこし強い物言いをされる責任者には「(対象会社は)ケツの毛までむしられるんだ」と言われたこともありましたが、時にそういうケースもあります。



買収後は、子会社化されるケースが多いので、給与面のことで、その後の組織の扱いも検討されます。(まあ、つまり子会社で維持されるといいますか)また、人件費が気になるときは、個人情報には気を使いながら、個人ごとの給与情報も収集します。


内部統制、ITは、大型案件でない限りは、正直さほど深入りしないです。ただ、重要な場合場合は、ITの別担当を入れて調査にあたります。



さて、醍醐味の始まりです。対象会社のFS(財務諸表)は、3年から5年、私の場合、10年ほど入手します。過去の推移は多くを物語るときがあります。

KPIは、毎回押さえます。

EBITDAの推移から、類似会社倍率をとり、およその価格をまず想定します。EBITDAが1億円、類似会社倍率が5倍なら、事業価値は5億円也からですね。


そして、最後、黄色ハイライトしましたが、最も重要だと思います正常収益力の分析です。買収後のことは判らない、それは仕方のない事、買収時には可能な限り買収後のシュミレーションを行います。買収後のEBITDA、営業利益はどのくらいの水準になるのか、そのために、足元3年、5年の正常なEBITDA、営業利益のそろばんをはじくのです。


すいません、今日は体力の限界、ここまで・・正常収益力については、こだわりがありますのでお聞きになりたいことは聞いてください。




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