財務DD実践編、前回に引き続き、2回目「2.企業価値との関係」です。非常に重要です。「なぜ財務DDが重要か」の命題が氷解します。と言っても過言ではありません。
さて、今回も勉強会資料で展開します。
(この頁は)株式価値算定仮定を1枚にチャート図化したものです。
そして、青かこみの部分については、株価算定のインプットなわけですが、このインプットを財務DDを実施し吟味するわけです。
この図は、業績推移ですが、過去実績と事業計画が並んでいます。株価算定は事業計画を使用して算定する訳ですが、果たして検討せずに算定するのでしょうか?
答えはNOです。勿論、受け入れ可能な事業計画であることが判っている場合はOKですが、M&Aの場合、売り手と買い手は基本的に利害相反します。売り手は高く売りたい、買い手は低く買いたい、したがい、売り手の事業計画は、「バラ色」である場合がよくあります。
したがい、買い手としては、事業計画が実現性のあるものかどうか、過去実績との比較で検討する必要があります。それがずばり財務DDなのです。
これは、調整EBITDAの結果サマリーです。実績のEBITDAを吟味した結果です。
・非経常的項目・・・今後発生し無さそうなもの
・非現金支出事項・・・キャッシュベースでは加算
・経常的支出・・・営業利益以下の経常的項目
・期間外修正・・・会計の修正
これらをピックアップし、正常なEBITDA(収益力)をあぶりだすのです。
なお、プロフォーマ調整は計画期間からの逆算で実績推移を繋ぐ調整です。将来の計画に乗り気な場合に は 有用です。
あと、「おまけ」として、事業外資産についても軽く説明します。これは、事業計画外の現時点(基準日時点)の余剰の有無です。経常的に発生するのは「余剰預金」です。
あと、たまに、土地にものすごい価値があるケースがあります。戦後の土地が相当含み益を抱えているいったケースです。
最後は、純資産調整です。これは、レガシーかつ現状も必須な結果です。
伝統的な公認会計士、FAS以外の会計士も得意分野です。
いまでも、譲渡価格を純資産を目安にすることはあります。
また、のれんの計算においても重要です。
今日の中段、そして、青かこみの部分については、株価算定のインプットなわけですが、このインプットを財務DDを実施し吟味するわけです。これはかえすがえす申しますが、財務DDの醍醐味です。是非、M&Aを実施する経営者の方にはここの注目して頂きたいです。
では。また来週。
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