事業価値算定に関わるポイント 4ー②.非流動性ディスカウント


今回は、前回の続き「非流動性ディスカウント」です。(今回短めです。)


前回は、DCF法や類似会社比較法で算定した株式価値が、誰の株式価値か支配株主なのか、少数株主なのかのポイントで必要になるポイントでした


ちなみに、「事業価値算定のポイント」は、以下の章立てです。



1.企業価値評価における事業価値、株式価値 (2021/11/18 公開)<クリック

2.類似企業比較法について (2021/11/ 28 公開)<クリック

3.DCF法 と 継続価値(ターミナルバリュー) (2021/12/ 5 公開) <クリック

4.支配権プレミアム&流動性ディスカウント

4-1 支配権プレミアム          (2021/12/12 公開)<クリック

4-2 非流動性ディスカウント        (本日公開)

5-1DCF法と割引率(WACC)について

5-2WACC計算 リスクフリーレートと負債コストの論点

5-3WACC計算 サイズリスクプレミアム

5-4DCF法 期央主義

6.ベンチャー企業のバリュエーションにおける割引率


非流動性とは、簡単には「その株式はすぐに譲渡換金できない」という意味です。上場株は通常市場価格で日々売買(譲渡)が可能です。つまり、換金可能です。



しかし、非上場株は、無理ですよね。すぐ換金が出来ることも、価値であり、換金がすぐ出来ない分、割引く、ディスカウンするわけですねもうすこし言い方を変えると、買い手候補を探す時間と手間、その交渉に費やす時間と手間、 アドバイザリー(FA)手数料等の取引コストが発生します。まさにM&A、また、資金調達の時ですね!



以下、4-1 支配権プレミアム(マイノリティーディスカウント)を説明した際の、図に、今回の非流動性ディスカウントを加味した図です。



因みに、少数の株式を売却するよりもボリュームの大きい株式の方が、売却は容易と考えられます。


そのため、支配持分の非流動性 ディスカウントは、少数持分の非流動性ディスカウントと比べて、低いと言われます。


米国の事例では、支配持分の非流動 性ディスカウントは10~25%、少数持分の非流動性ディスカウントはおよそ、30~50%とされています。 (以下はValuationAdvisory2016)


また、個別案件の事情で、50%近い非流動性ディスカウントをエビデンスベースで実施するため、以前米国の実証データをとりました(以下そのときの履歴ですが)






ただし、日本の実務では、30%(未満)を使うことが実務上多いと思います。


なお、支配持分の場合は、会社売却、配当金の決定等を通じて、現金化の手段を有していることから、対象会社のキャッ シュ・フローを実質的に支配しています。そのため、支配持分を有している場合は、非流動性ディスカウントを適用しない という考え方もあります。





おさらいですが。このように、DCF法で割引というと、WACCとなりますが、WACC以外に、少数株主の価値を出すときは、4-1マイノリティーディスカウント、さらに、M&Aや、資金調達(特にレーターステージ以降)では、今回の非流動性ディスカウントで、「さらに割り引く」必要があることを先に解説しました。どちらも30%加味すると結論役50%オフのイメージですね。(結構きますよね)いか、とある算定結果です。





ではまた。






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